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2025-06-04 16:02:00

耳鳴り・めまい(メニエール病)/40代女性の患者様

◆ご来院の経緯

4月中旬ごろから「耳の詰まり感」が出始め、その後、症状が軽くなったタイミングでメニエール病を発症されました。
耳の詰まり感は次第に「圧迫感」に変化し、ぐるぐると回るようなめまいが続く状態となり、当院へご相談にいらっしゃいました。

◆1回目の施術

問診と触診を丁寧に行ったところ、耳の圧迫感・めまい・背中の痛みに共通する首や肩の過緊張(こり)が見つかりました。
原因と考えられる
手・ふくらはぎ・足先の筋肉の緊張
に鍼を行い、初回施術を終了しました。

◆2回目の施術(初回から1週間後)

「施術後はしばらく調子が良かった」とのことでしたが、数日前から再び耳に音が響くような感じが出たためご来院。
初回と同様の内容で施術を行い、終了しました。

◆経過と結果

その後、ご本人から「耳の症状もめまいも完全に出なくなった」とのご連絡をいただきました。
発症からある程度の期間が経過していたため心配していましたが、非常に早い回復スピードで安定。
特に、手やふくらはぎの過緊張が緩む反応が早かったことが、早期改善につながったと考えられます。

 

◆院長コメント

日常生活のクセやストレスで生まれる筋肉の過緊張は、改善に時間がかかることもあります。
しかし、この方のように適切なタイミングで、身体の状態に合った施術を受けることで、短期間でも症状が安定するケースがあります。

2025-05-19 19:28:00

顔面神経麻痺の東洋鍼灸治療について

顔面神経麻痺の鍼灸治療について

当院では、顔面神経麻痺の治療に鍼(はり)やお灸(きゅう)を用いています。

麻痺の程度には個人差がありますが、多くの方が1~2回の治療で「何か変化があるかも」と体の感覚で気づきはじめることが多いです。

例えば、こんなふうに少しずつ変化を感じられることが多いです:

  • 3回目以降:動かなかった部分が少し動くようになってくる

  • 5回目以降:家族や友人から「笑顔が自然になってきたね」「治ってきてるね」と声をかけられるようになる

  • 10回目以降:食事や会話など、日常生活の細かな場面で本人が改善を実感できるようになる

早期治療がカギです!

顔面神経麻痺に限らず、「麻痺」は発症から治療を始めるまでの時間が短いほど、改善も早い傾向があります

 

近年では、脳梗塞による麻痺でも手術の翌日からリハビリが始まるほど、治療の早さが重要とされています。
迷わず、できるだけ早めのご相談をおすすめします。

 

鍼灸治療の流れ

当院での顔面神経麻痺に対する鍼灸治療は、以下のようなステップで行います:

  1. 麻痺している筋肉に鍼を施し、必要に応じて電気を流す
     → 筋肉の動きを引き出します。

  2. お灸や温熱療法で、硬くなった筋肉を温める
     → 血流やリンパの流れを改善し、回復を促進します。

  3. オイルマッサージでさらに巡りをサポート
     → むくみの軽減やリラックス効果も期待できます。

これらのアプローチを組み合わせ、麻痺した筋肉の機能回復を目指します

顔面神経麻痺の具体的な治療の進め方

 

顔面神経麻痺には、大きく分けて**「中枢性」「末梢性」**の2つのタイプがあります。

 

中枢性の顔面神経麻痺とは?

「中枢性」は、脳梗塞・脳出血・脳腫瘍など、脳に原因があるケースです。
このタイプは、見た目の変化があまり目立たないことが多いのが特徴です。

 

このような場合は、鍼灸治療の対象ではありませんので、早めに脳神経外科や脳外科の受診をおすすめします。

 

末梢性の顔面神経麻痺とは?

一方、「末梢性」は、

  • まぶたが閉じにくく、目が開いたままになる

  • 水や食べ物を口に含むと、口の端からこぼれてしまう

  • 顔の左右のバランスが大きく崩れてしまう

といった外見上の変化や不自由さが大きく表れるのが特徴です。

 

この末梢性の顔面神経麻痺には、鍼灸治療での改善が期待できます

 

顔面神経麻痺は早期の治療がとても重要です。


気になる症状がある方は、できるだけ早めにご相談ください。

2025-05-15 16:01:00

レーベル病 鍼灸治療の症例 50代男性

都内在住/50代男性/病名:レーベル病

ご来院の約3~4カ月前に突然発症し、その後急速に視力・視野ともに低下。
大学病院で遺伝子検査の結果、レーベル病と診断されましたが、明確な治療法はなく、現在も経過観察のみという状況でした。

唯一、可能性があるとされたイデベノン治療も試されましたが、残念ながら十分な効果は見られませんでした。

そのような中、当院を知り、「少しでも良くなれば」という強い想いをもってご来院くださいました。
初めてのご来院時は、同伴者がいなければ通院が困難な状態で、通い慣れた場所以外は一人で歩くのも難しい状況でした。

通常、レーベル病は20〜30代での発症例が多く、回復の見込みがあるタイプも存在しますが、50代での発症は重症化しやすいとされています。

 

その中でも、鍼灸に希望を託し、難病鍼灸に実績のある当院を選んでくださったことに、私たちも強い責任を持って施術に取り組んでおります。

初診からしばらくは、視力や視野などの眼科的な症状を中心に施術していましたが、
心身のバランスを整えるために、自律神経への治療もあわせて行うことにしました。

眼の治療には、これまで通り
後頚部(うなじ周辺)や目のまわりへのやさしい鍼を、
自律神経には、お腹・背中・手足への施術を加えて対応していきました。

この頃は、視覚的な状態が「底」といわれる時期で、
患者さんも「どんどん色が薄れていく感じがする」と、心理的な不安を強く感じていたそうです。

しかし、それから3カ月が経過した頃、視覚にわずかな改善の兆しが見られるようになり、
医師からも「回復期に入ったと思われる」と言われるようになりました。

さらにその後の2カ月間では、光の明るさを感じたり、輪郭が少し見えるようになったとのこと。
施術の積み重ねが、ゆっくりと身体に変化をもたらしていきました。

症状の改善とともに、仕事にも前向きな変化が現れました。
レーベル病を発症してからは控えていた接客業務にも復帰され、
「できない」と感じていたことに再び挑戦する気持ちが持てるようになったそうです。

また、服用していたお薬もやめることができたとのことで、
精神的にも大きく前向きになられているのが伝わってきました。

 

現在も引き続き、さらなる回復を目指して施術を継続中です。

2025-05-14 10:59:00

不整脈患者様の症例です

港区在住 E.S様(50代・男性・事務職)
主訴:動悸・不整脈

2022年の春頃から、突然胸がドキドキする「動悸」を感じるようになりました。検査の結果、期外収縮と診断され、医師からはカテーテル手術をすすめられましたが、できれば手術は避けたいとの思いで鍼灸治療を試みることに。しかし、最初に通った2ヶ所の鍼灸院では症状の改善が見られませんでした。

それでも「鍼灸で良くなりたい」という気持ちを持ち続け、当院に来院されました。

初診は2022年8月24日。動悸は特に疲労時や飲酒後に強く現れ、仕事が手につかなくなったり、夜も眠れなくなるほどでした。体の状態を詳しく診たところ、「脾虚血瘀(ひきょけつお)」という状態が見られたため、それに合った経穴(ツボ)を使って治療を行いました。

2回目の施術後には動悸の回数が減り、体もとてもラクになったとのこと。その後も施術を重ねることで、少しずつ症状が落ち着いていきました。特に9回目の施術以降は、強い動悸が全く出なくなり、頻度も大幅に減少。10回目以降は「動悸が出る前に背中にコリを感じる」という身体のサインに気づけるようになり、早めに対応できるようになったのも大きな変化でした。

 

現在は月1回のペースでメンテナンスを続けながら、症状は安定しています。

E.S様より

「かれこれ半年ほどになりますが、カテーテル手術も今の状態では必要ないと、医師からも太鼓判をもらいました。とてもホッとしています。

 

ただ、背中の痛みが引き金になることもあるので、油断せず、これからもしっかりと治療に取り組んでいきたいと思います。」

 

 

2025-05-13 19:44:00

パーキンソン病での鍼灸治療

 

体内に残っているドーパミンを活かす鍼治療

パーキンソン病は、体が思い通りに動かなくなる進行性の神経疾患で、原因の特定が難しいことから「難病」とされています。正式には「パーキンソン症候群」と呼ばれ、明確な原因がわからない一連の症状を含む名称です。

この病気は、脳の「黒質(こくしつ)」という部分で作られる神経伝達物質「ドーパミン」が大きく関係しています。ドーパミンが減少することで、神経の連絡がうまくいかず、体をうまく動かせなくなるのです。


自律神経とドーパミンの関係

ドーパミンは、交感神経が適度に刺激されることで脳から放出されます。しかし、交感神経が常に過剰に働いていると、逆にドーパミンの働きが抑えられてしまい、症状が悪化する原因にもなります。

たとえば「便秘」は、交感神経を過剰に緊張させ、パーキンソン病の症状をさらに悪化させる一因とされています。そのため、副交感神経を刺激して交感神経の緊張を和らげることが重要になります。


鍼治療によるパーキンソン病へのアプローチ

当院では、体に残っているドーパミンを最大限に活かすことを目的に、鍼治療を行っています。

治療の流れ

当院の鍼治療では、特に頭部への施術を重視していますが、頭だけではなく全身を整えてから頭部の治療に入ります。これは、自律神経のバランスを整えるためです。

【全身治療の目的】

  • 副交感神経を刺激して腸の動きを促し、便秘を改善

  • 腰痛や筋肉のこわばりの緩和

  • 下肢の柔軟性の向上

  • 顔(特に目のまわり)を治療し、仮面様顔貌(表情が乏しくなる症状)の改善

【頭部の治療ポイント】

  • 運動区:ドーパミンの分泌や運動機能の改善に関わる

  • 舞踏振戦区(ぶとうしんせんく):手足のふるえ(振戦)を抑える効果が期待できる


鍼治療の適応と限界

鍼治療は症状の進行度(ヤールの重症度分類)によって対応が異なります。
家族の介助があれば、ヤールⅣ(中等度~やや重度)までの方が対象となります。

ヤール重症度別の対応

  • ヤールⅠ(初期):片側の筋肉の緊張や軽いふるえが主。脳の緊張を和らげ、自律神経を整えることで便秘の改善を図ります。

  • ヤールⅡ~Ⅲ(中期):腰痛や仮面様顔貌の改善に加え、歩行障害が出てくるため、下肢の治療に重点を置きます。

  • ヤールⅣ(やや重度):介助があれば通院可能な範囲。全身のバランスを整え、残されたドーパミンの働きを助けます。

  • ヤールⅤ(重度):寝たきりや完全介助が必要な状態。通院が難しくなるため、鍼治療の適応外となります。

この段階では、外科的治療(DBS:脳深部刺激療法)などの方法が選択されます。都内では都立府中病院や自治医科大学などで対応しているようです。


お薬と鍼治療の併用について

現在服用しているドーパミン補充薬と鍼治療を併用することで、血流が改善され、薬の効果を高めることが期待できます
ただし、症状が進行しすぎている場合、鍼だけで効果が出ないこともあり、その場合は薬を服用した上での治療が有効です。

なお、薬物治療にも副作用や効き目が弱くなる「慣れ」が生じることがあるため、こうした鍼治療との併用も一つの選択肢としてご検討いただければと思います。


※治療の効果には個人差があります。症状に合わせて最適な施術をご提案いたします。


まずはお気軽にご相談ください。

 

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監修者:鍼灸師 キム・ファヨン先生

【得意な治療】
難病全分野、特に突発性難聴・顔面神経痛・顔面神経麻痺・腎疾患・パーキンソン病

西洋医学では対応が難しい難病が得意です。
各種症状でお悩みの方、早めに一度ご来院ください。

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