コリン性蕁麻疹

コリン性蕁麻疹

コリン性蕁麻疹とは?

コリン性蕁麻疹は、運動や入浴などの体温上昇によって生じる刺激誘発型蕁麻疹の一種です。誘発する刺激が何かを特定してそれを除去することが推奨されてはいるものの、誘発要因となる入浴や発汗を日常から刺激を避けるのは困難だとされています。

要因については明らかに放っていないもの、ヒスタミン・アセチルコリン・汗アレルギー・血清因子・発汗異常などが発生に関与していると推定されています。また、複数のサブタイプが存在し、そのタイプによって要因は異なると考えられています。

汗をかいたり、温度変化などが刺激となることが多く、症状が一時的に現れることが特徴です。

参考:コリン性蕁麻疹における発汗指導の有効性に関する後向き観察研究(札幌医科大学医学部皮膚科学口座)

参考:コリン性蕁麻疹の新しい病型分類と治療(日本皮膚科学会雑誌 127 (8), 1745-1750, 2017)

コリン性蕁麻疹の症状

● 皮膚の赤みや腫れ
● かゆみや刺激感
● 小さな発疹や蕁麻疹の出現
● 汗をかいた後や温度変化後に症状が現れる

コリン性蕁麻疹の原因

コリン性蕁麻疹の正確な発症メカニズムはまだ完全には解明されていませんが、発汗をつかさどる神経伝達物質である「アセチルコリン」が関与していると考えられています。

運動や入浴、緊張などで体温が上昇すると、体温調節のために脳から発汗の指令が出ます。この指令は自律神経を介して全身に伝わり、アセチルコリンを大量に分泌させて汗腺を開かせます。コリン性蕁麻疹患者では、このアセチルコリンが皮膚での炎症やかゆみの原因となっている可能性があります。

また、コリン性蕁麻疹患者の皮膚ではかゆみの原因物質である「ヒスタミン」が大量に分泌されていることも分かっています。アセチルコリンとヒスタミンの両方が症状の発現に関与していると推測されますが、詳細なメカニズムは不明な点も多く残っています。

コリン性蕁麻疹の日常からできる対処法

コリン性蕁麻疹の症状を防ぐには、発汗を抑えることが大切です。

・高温多湿を避け、涼しい環境を心がける
・激しい運動は控えめにする
・入浴は湯船につかるのを避け、ぬるめのシャワーで済ます
・精神的ストレスをためないよう、リラックスを心がける
・辛い食べ物や熱い食べ物は避ける

ただし、あまりに発汗を避けすぎると発症のリスクが高まる可能性もあります。日常生活の中で適度に汗をかくことは、症状の予防につながることもあるようです。症状が出ている時は無理に汗をかこうとせず、医師に相談しましょう。

コリン性蕁麻疹の症状がでたら

コリン性蕁麻疹の症状は通常、発症してから30分~2時間以内に自然に治まります。症状が出た時は、掻きすぎないように注意しましょう。

かゆみがひどく我慢できない場合は、市販の抗ヒスタミン薬を飲むのも一つの方法です。症状が重い場合や頻繁に症状が出る場合は、皮膚科を受診して医師の診察を受けることをおすすめします。

コリン性蕁麻疹に効果がある薬は?

コリン性蕁麻疹の治療には、主に抗ヒスタミン薬が用いられます。抗ヒスタミン薬はかゆみの原因となるヒスタミンの働きを抑える薬で、内服薬と塗り薬があります。

症状が軽い場合は市販の内服薬でも対処できますが、症状が重い場合や繰り返す場合は皮膚科を受診し、医師の判断で処方薬を使用します。塗り薬は患部の炎症や痒みを抑える効果が期待できます。

コリン性蕁麻疹は汗をかいて治せる?

一般的に、コリン性蕁麻疹は発汗に慣れることで自然に治っていくことが多いとされています。しかし実際には個人差が大きく、汗をかくことで症状が悪化してしまう場合もあります。

発症初期の段階で無理に発汗を促すと、かえって症状を悪化させる危険性があるため注意が必要です。治療中は医師の指示に従い、症状に合わせて徐々に発汗に慣らしていくことが大切です。

なお、稀にコリン性蕁麻疹が重症化し、アナフィラキシーショックなどの深刻な合併症を引き起こすこともあります。症状が悪化する場合は自己判断せず、早めに医療機関を受診するようにしましょう。

コリン性蕁麻疹と西洋医学

コリン性蕁麻疹の治療には、まず刺激を与える原因を特定し、それを避けることが重要です。また、抗ヒスタミン薬を用いて症状の軽減や抑制を図ることがあります。一般的に、抗ヒスタミン薬は症状の発現前に服用することで効果が期待されます。症状が重症である場合には、皮膚科医がステロイドクリームなどの局所的な治療を行うこともあります。

コリン性蕁麻疹の鍼灸治療

鍼灸による治療は、コリン性蕁麻疹の症状の緩和や改善を促すために利用されることがあります。

鍼や灸を用いた治療は、特定のツボを刺激することで血行を促進し、炎症を鎮める効果が期待されます。また、鍼灸治療は自律神経の調整にも役立ち、症状の改善に寄与するとされています。

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当院では、コリン性蕁麻疹の患者さまの症状や状態を総合的に評価し、適切なプランを提供します。

鍼灸治療を含むさまざまなアプローチを用いて、患者さまの症状の緩和や生活の質の向上に努めます。専門的な知識と経験豊富なスタッフが、患者さまの健康をサポートします。まずはお気軽にご相談ください。

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監修者:鍼灸師 キム・ファヨン先生

【得意な治療】
難病全分野、特に突発性難聴・顔面神経痛・顔面神経麻痺・腎疾患

西洋医学では対応が難しい難病が得意です。
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