ナルコレプシー

ナルコレプシー

ナルコレプシーとは?

ナルコレプシーは、不可抗力で突然の睡眠発作や不規則な睡眠パターン、そしてしばしば筋肉の弱点を伴う睡眠障害です。この疾患は神経系の異常によって引き起こされ、通常、日中の眠気や過度の眠りにつながります。ナルコレプシーは慢性的な状態であり、治癒することはありませんが、適切な管理や治療で症状を管理することができます。

参考:ナルコレプシーの病因治療効果を確認(国立大学法人 筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構, 2017)

ナルコレプシーの主な症状

● 突然の睡眠発作:日中に急激な眠気が襲い、強い欲求を感じてしまうことがあります。この状態で、患者は数分から数十分の間、不可抗力で眠りに落ちてしまいます。

● 不規則な睡眠パターン:夜間の睡眠が乱れがちで、多くの場合、夜中に何度も目が覚めることがあります。

● 筋肉の弱点:睡眠発作や夢遊病の間に、筋肉の弱点や崩壊が起こることがあります。

● 明晰夢:現実と区別がつかないほどに生き生きとした夢を見ることがあります。

ナルコレプシーの眠気以外の症状

ナルコレプシーでは日中の強い眠気以外にも以下のような特徴的な症状があります。

・情動脱力発作(カタプレキシー):喜怒哀楽などの感情が強くなったときに突然体の力が抜けて倒れてしまう発作。
・入眠時幻覚:寝入りばなに鮮明で怖い夢を見る。現実との区別がつきにくい。
・睡眠麻痺(金縛り):入眠時や覚醒時に体が動かせなくなる。
・自動症:眠ってしまったことを覚えておらず、自分の行動が思い出せない。
・夜間の睡眠障害:頻繁に目覚めるなど夜の睡眠の質が悪い。

これらのうち情動脱力発作と日中の眠気の両方がそろっていればナルコレプシーと診断できます。

ナルコレプシーの原因・メカニズム

ナルコレプシーの正確な原因はまだ解明されていませんが、以下のようなことが分かっています。

・脳内の視床下部にあるオレキシン神経細胞の機能が著しく低下している。
・ナルコレプシー患者の脳脊髄液中のオレキシンAという物質が大幅に減少している。
・患者の多くが特定のHLA型(白血球の型)を持っている。
・遺伝的な要因だけでなく、感染などの後天的な要因も発症に関与している可能性がある。
・睡眠と覚醒のリズムを整える脳の機能に何らかの異常が生じている。
・通常は寝入りばなのノンレム睡眠から始まる睡眠が、いきなりレム睡眠から始まってしまう。

ナルコレプシー患者の数

・日本人の0.16〜0.18%がナルコレプシーと推定されている。 ・600人に1人程度の割合。欧米より有病率が高い。 ・男女比に大きな差はない。 ・10代半ばが発症のピーク。

ナルコレプシーの日常からできる対処法

ナルコレプシーは完治は難しいですが、薬物療法と生活習慣の工夫で症状をコントロールできます。日常からできる対処としては以下のようなことが挙げられます。

・規則正しい睡眠リズムを心がける。毎日同じ時間に寝て起きる。
・1日1-2回、決まった時間に20-30分程度の短い昼寝をする。
・車の運転など眠気で危険な作業は避けるか、眠くない時間帯に注意して行う。
・感情が高ぶると脱力発作が起こりやすいので、なるべく平静を保つ。
・アルコール、カフェイン、タバコなどは控えめにする。
・家族や職場など周囲の人に病気のことを理解してもらい、協力を得る。

医師の指導のもと、病気とうまく付き合いながら、充実した社会生活を送ることが大切です。薬だけに頼るのではなく、生活リズムを整えることが症状改善の鍵となります。

ナルコレプシーと西洋医学

ナルコレプシーの治療には、いくつかのアプローチがあります。まず、薬物療法が一般的です。覚醒剤や抗うつ薬が処方され、睡眠障害の管理や症状の軽減を目指します。また、睡眠習慣の改善やカウンセリングも有効です。これらのアプローチは、症状の管理や生活の質の向上に役立ちます。

ナルコレプシーの鍼灸治療

鍼灸治療は、ナルコレプシーの症状の管理に役立つ可能性があります。鍼灸は体のエネルギーバランスを調整し、睡眠の質を向上させることで症状の緩和を目指します。

お気軽にご相談ください

当院では、ナルコレプシーの患者さまの症状や状態を総合的に評価し、適切なプランを提供します。鍼灸治療を含むさまざまなアプローチを用いて、患者さまの症状の緩和や生活の質の向上に努めます。専門的な知識と経験豊富なスタッフが、患者さまの健康をサポートします。まずはお気軽にご相談ください。

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監修者:鍼灸師 キム・ファヨン先生

【得意な治療】
難病全分野、特に突発性難聴・顔面神経痛・顔面神経麻痺・腎疾患

西洋医学では対応が難しい難病が得意です。
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