反復性腹痛

反復性腹痛とは?
反復性腹痛(はんぷくせいふくつう)は、慢性的な腹部痛を特徴とする症候群です。この疾患は一般的に小児期に発症し、成人期にも持続する場合があります。一般に、病理学的な原因は見つかりませんが、ストレスや不安、特定の食物、または感情的な問題によって症状が引き起こされることがあります。
反復性腹痛の症状
● 腹部痛が周期的に現れ、持続する
● 他の腹部疾患や器質的な問題のない場合が多い
● 腹痛は通常、食事後やストレス時に悪化する
● 便秘や下痢などの消化器症状が同時に現れることがある
● 精神的な問題やストレスが症状を悪化させることがある
反復性腹痛の種類
反復性腹痛は大きく2つに分類することができます。
1つ目は器質的疾患による反復性腹痛です。内臓などの異常が原因で起こる腹痛であり、消化性潰瘍、総胆管拡張症、慢性便秘、炎症性腸疾患、慢性膵炎、てんかんなどが含まれます。
2つ目は非器質的疾患による反復性腹痛。内臓などに異常を認めない腹痛で、主に過敏性腸症候群や心理的ストレスが原因となると推測されています。反復性腹痛全体の約90%を占めると考えられています。
反復性腹痛と慢性腹痛の違い
反復性腹痛と慢性腹痛はどちらも長期にわたる腹痛ですが、以下のような違いがあります。
慢性腹痛は3カ月以上持続する腹痛で、痛みが連続的に存在するのが特徴です。一方、反復性腹痛は痛みが断続的に繰り返し起こるもので、痛みの合間には症状がない期間があります。
また、慢性腹痛は主に5歳以降の小児に多いのに対し、反復性腹痛は学童期(特に8〜10歳)に最も多く見られます。
性別・年齢ごとの反復性腹痛
子供の反復性腹痛
反復性腹痛は学童の約10%に見られ、8〜10歳の子供に最も多く、4歳未満ではまれです。男子よりも女子にやや多い傾向があります。子供の反復性腹痛の原因は、多くの場合、学校や家庭でのストレスや不安などの心理的要因によるものと考えられています。
大人の反復性腹痛
成人では反復性腹痛の頻度は低くなりますが、青年期初期の女性にはかなり多く見られます。
大人の場合も、ストレスなどの心理的要因が原因となることが多いですが、器質的疾患の可能性も考慮する必要があります。
男女差
反復性腹痛は男性よりも女性に多い傾向があります。特に思春期から青年期の女性に多く見られます。この理由は明確ではありませんが、ホルモンの影響や、女性の方がストレスに敏感であることなどが関係している可能性が指摘されています。
反復性腹痛の症状
反復性腹痛の症状は原因によって異なりますが、一般的な特徴は以下の通りです。
・へそ周囲の痛みが多い
・痛みの強さや持続時間は一定でないが、通常1時間以内に治まる
・腹痛とともに頭痛、顔色不良、嘔吐を伴うことがある
・普段は無症状で、心理的ストレスで悪化し、休日で軽快する傾向がある
・就寝中の腹痛はまれ
器質的疾患による反復性腹痛では、上記の他に、不眠、食欲減退、体重減少、排便習慣の変化、血便などの症状がみられることがあります。
一方、非器質的疾患による反復性腹痛では、痛みの表現が漠然としていて、数週間から数カ月で自然に消失することがあります。
また、子供が遊びに夢中になると痛みから気がそれるといった特徴もみられます。
反復性腹痛の原因
反復性腹痛の原因は大きく分けて2つあります。
・器質的原因:消化管や泌尿生殖器の疾患など、身体的な異常が原因となるもの。具体的には、消化性潰瘍、炎症性腸疾患、膀胱炎、腎炎、子宮内膜症など。
・非器質的原因:身体的な異常がなく、主に心理的要因によるもの。ストレスや不安、うつ状態などが関与していると考えられます。過敏性腸症候群もこれに含まれます。
反復性腹痛の多くは非器質的原因によるものですが、器質的疾患の可能性も念頭に置く必要があります。特に、不眠、体重減少、血便などの症状がある場合は要注意です。
また、非器質的原因の反復性腹痛においても、性的虐待など、深刻な心理的問題が背景にある可能性があることを認識しておくことが重要です。
反復性腹痛の日常からできる対処法
反復性腹痛の治療は原因によって異なりますが、日常生活でできる対処法としては以下のようなものがあります。
ストレス管理を行う
非器質的原因の反復性腹痛では、ストレスが症状を悪化させる要因となります。ストレスの原因を特定し、できる限り避けるようにしましょう。
規則正しい生活習慣を心がける
規則正しい食事と睡眠は体調管理の基本です。特に就寝時間を一定に保つことが大切です。また、偏食を避け、バランスの取れた食事を心がけましょう。
適度に運動をする
適度な運動は、ストレス解消や自律神経の調整に役立ちます。激しい運動は避け、ウォーキングや軽い体操など、無理のない範囲で行うのがおすすめです。
周囲が理解・支援する
家族や学校の理解と協力があると、子供は安心して生活や学校生活を送ることができます。周囲の大人が子供の訴えに耳を傾け、サポートすることが大切です。
これらの対処法と並行して、必要に応じて薬物療法や心理療法を行うことで、反復性腹痛の症状は改善が期待できます。ただし、完治は難しいことが多いため、症状とうまく付き合っていくことが重要です。
反復性腹痛と西洋医学
反復性腹痛は、他の臓器の疾患や器質的な問題が原因ではなく、主に心因性や精神的な要因によって引き起こされると考えられています。西洋医学では、この疾患は通常、腸内の炎症や潰瘍などの他の疾患が原因であるかどうかを除外するために検査されます。診断には、病歴の詳細な収集や身体検査、または必要に応じて画像検査や内視鏡検査が含まれることがあります。治療には、ストレス管理や心理療法、適切な食事と生活習慣の改善が含まれます。場合によっては、抗不安薬や抗うつ薬が処方されることもあります。
反復性腹痛の鍼灸治療
鍼灸治療は、反復性腹痛の管理に役立つ可能性があります。鍼や灸を用いて腹部のエネルギーフローを調整し、ストレスや不安を緩和することができます。また、鍼灸治療は自律神経のバランスを調整し、消化器系の機能を改善するのに役立ちます。経絡やツボの刺激により、身体と心のバランスを整えることで、症状の軽減やストレスの管理が期待できます。
お気軽にご相談ください
当院では、反復性腹痛の患者さまの症状や状態を総合的に評価し、適切なプランを提供します。鍼灸治療を含むさまざまなアプローチを用いて、患者さまの症状の緩和や生活の質の向上に努めます。専門的な知識と経験豊富なスタッフが、患者さまの健康をサポートします。まずはお気軽にご相談ください。
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