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パーキンソン病での鍼灸治療
体内に残っているドーパミンを活かす鍼治療
パーキンソン病は、体が思い通りに動かなくなる進行性の神経疾患で、原因の特定が難しいことから「難病」とされています。正式には「パーキンソン症候群」と呼ばれ、明確な原因がわからない一連の症状を含む名称です。
この病気は、脳の「黒質(こくしつ)」という部分で作られる神経伝達物質「ドーパミン」が大きく関係しています。ドーパミンが減少することで、神経の連絡がうまくいかず、体をうまく動かせなくなるのです。
自律神経とドーパミンの関係
ドーパミンは、交感神経が適度に刺激されることで脳から放出されます。しかし、交感神経が常に過剰に働いていると、逆にドーパミンの働きが抑えられてしまい、症状が悪化する原因にもなります。
たとえば「便秘」は、交感神経を過剰に緊張させ、パーキンソン病の症状をさらに悪化させる一因とされています。そのため、副交感神経を刺激して交感神経の緊張を和らげることが重要になります。
鍼治療によるパーキンソン病へのアプローチ
当院では、体に残っているドーパミンを最大限に活かすことを目的に、鍼治療を行っています。
治療の流れ
当院の鍼治療では、特に頭部への施術を重視していますが、頭だけではなく全身を整えてから頭部の治療に入ります。これは、自律神経のバランスを整えるためです。
【全身治療の目的】
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副交感神経を刺激して腸の動きを促し、便秘を改善
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腰痛や筋肉のこわばりの緩和
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下肢の柔軟性の向上
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顔(特に目のまわり)を治療し、仮面様顔貌(表情が乏しくなる症状)の改善
【頭部の治療ポイント】
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運動区:ドーパミンの分泌や運動機能の改善に関わる
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舞踏振戦区(ぶとうしんせんく):手足のふるえ(振戦)を抑える効果が期待できる
鍼治療の適応と限界
鍼治療は症状の進行度(ヤールの重症度分類)によって対応が異なります。
家族の介助があれば、ヤールⅣ(中等度~やや重度)までの方が対象となります。
ヤール重症度別の対応
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ヤールⅠ(初期):片側の筋肉の緊張や軽いふるえが主。脳の緊張を和らげ、自律神経を整えることで便秘の改善を図ります。
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ヤールⅡ~Ⅲ(中期):腰痛や仮面様顔貌の改善に加え、歩行障害が出てくるため、下肢の治療に重点を置きます。
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ヤールⅣ(やや重度):介助があれば通院可能な範囲。全身のバランスを整え、残されたドーパミンの働きを助けます。
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ヤールⅤ(重度):寝たきりや完全介助が必要な状態。通院が難しくなるため、鍼治療の適応外となります。
この段階では、外科的治療(DBS:脳深部刺激療法)などの方法が選択されます。都内では都立府中病院や自治医科大学などで対応しているようです。
お薬と鍼治療の併用について
現在服用しているドーパミン補充薬と鍼治療を併用することで、血流が改善され、薬の効果を高めることが期待できます。
ただし、症状が進行しすぎている場合、鍼だけで効果が出ないこともあり、その場合は薬を服用した上での治療が有効です。
なお、薬物治療にも副作用や効き目が弱くなる「慣れ」が生じることがあるため、こうした鍼治療との併用も一つの選択肢としてご検討いただければと思います。
※治療の効果には個人差があります。症状に合わせて最適な施術をご提案いたします。
まずはお気軽にご相談ください。
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